いつもお世話になっている旅行代理店の担当者には、
・隠れ家リゾート
・日本人少なめ、ファミリー少なめ
・観光、ショッピングには興味なし
・引き篭もって、その空間とそこに流れる時間にどっぷり漬かる
バケーションにおけるマイキーワードを伝えて、
ホテルと航空券の手配だけお願いしている。
そうして今回もまた、
サンスクリット語で"天国における第三の庭園"という意味の隠れ家で、
何にも干渉されない静かな静かな休暇を過ごしてきた。
東京よりうんと南なのに、
風通しがいいから一日中ずっと外で過ごせるのがいい。
エアコン漬けで弱っていたカラダが元気を取り戻し、
偏頭痛も肩こりも腰痛もすうっと消えた。
毎日プールでがしがし泳ぎ、
ビーチベッドで寝転がりながら持ってきた本を次々読了、
時々昼寝して、喉が渇いたらローカルビールかピナコラーダ。
他の宿泊客たちも皆一様に本を読んだり泳いだり昼寝したり、
だからBGMは波の音と鳥のさえずりだけ。
滞在中、一歩も敷地から出ず、
三食ともプールサイドレストランやビーチバーで食べていたら、
スタッフが名前で呼びかけてくれるようになり、
実に素晴らしいバケーションの過ごし方だ、
支配人からは褒められた。
仕事の新着メール数が増えて3桁になっていることをiPhoneが示していても、
アクセスしない、見ない勇気。
今回はそれを貫いた自分を褒めよう。
iPhoneはBOSEのスピーカーに接続してお気に入りの音楽を再生、
至福の泡バスタイムでBGMのためだけに使った。
この海の色を見ただけで、
あの非日常的な素晴らしい一週間を思い出し、涙が出そうになる。
日常に戻った途端、どうしてあのスローな感じが失われちゃうんだろう。
やっぱりあそこは"天国"だったのか。
今年の前半は本当にきつかった。
人に吐き出せず、独りで抱え込んでしまう性格も災いして、
精神的にも体力的にも限界に近かった。
8月に入ってからは軽い腸炎を疑われ、
検査結果次第では旅行もNGと医者に言われる始末。
キャンセル料のことよりも、
会社の夏季休業期間中に病気なんて損だなという思いが咄嗟によぎった。
非日常的な"天国"では、自分の迷いと向き合う時間がたっぷりあった。
ここ数週間のうちに起きた変化や急な展開も後押ししてくれて、
迷いは次第に決断に変わり、
そして今日、私は、会社に退職願を出した。