今年の夏休みは、久々に国内で過ごした。
13歳以下お断り、全室20室以下の大人の隠れ家で、
よく寝て、食べて、本読んで、蒼い海をぼーっと眺める。
日がな一日その繰り返し。
至れり尽くせり、何でも揃っているけれど、
適度に客を放っておいてくれるのが、実に心地良い。
だって日常とは違う空間と時間の流れを満喫したいのだから。
私と同世代とおぼしき、
おひとりさまの男性や女性も見かけて勝手に連帯感を覚える。
どうもお疲れさまです。
お互いうんと充電して、休み明けからまた頑張りましょうね。(心の声)
スタッフによれば、滞在中ずっと部屋にこもって過ごす客も多いらしい。
わかる、わかる。外に出るのもったいないもんね。
こういう場所は本当に大事にしたいし、もっともっと増えてほしい。
夜は最上階の専用貸切露天風呂から、
これでもかっていうぐらいの満天の星を見て圧倒された。
プラネタリウムよりも星が多い。多過ぎて夏の大三角形がわからない。
そして生まれて初めて見る天の川に大感激した。
これか、これが天の川なのか!!
そのスケールのデカさに気持ちまで大きくなる。
両手をぱーっと上げて、両脚をがーっと開いて、
星空を仰ぐように浴槽の中に立った。
今、私が見ている星の光は数万年前に放たれたんだよね、
ってことは、私の一糸纏わぬ姿は数万年後にあの星から見えるのか?
フフフ、どう思われるんだろう、楽しみ。
宇宙のロマンとは程遠いが、想像力の乏しい私にしては上出来である。
夜風が爽やかだから長風呂しても全然のぼせない。
もう一時間近く、宇宙に向けて大サービスしてしまった。
今年は珍しく、社内で誰よりも早く夏休みを取ったものだから、
実はこれはもう二ヵ月近くも前の話である。
その後一気にストレス社会に引き戻され、
眉間には皺が、首・肩・腰はカチカチで先週鍼を打つ羽目に。
昔から難しい課題と責任を与えられると俄然やる気が出る子、
相変わらず仕事と会社は大好きなんだけれど、
なにしろ疲れが取れなくなってきた。土日はまるで廃人である。
私はあと何年、こういう生活を送るんだろう。
帰り際、見送ってくれた隠れ家のスタッフの言葉をふと思い出す。
思い立ったら、いつでもバッグひとつでいらしていただけますから。
この言葉を心の拠りどころにしながら生きている、今日この頃である。