自分自身にまつわる出来事と感情の記録
by 杏
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人の手を借りたいと思うのは、
背中にボディローションを塗る時、肩に湿布を貼る時だけじゃない。
誰か、抜いてくれぇ、
髪の分け目のいつも同じところから生えてくる一本の白髪。
一年前ぐらいから、抜いても抜いても、そこからはもう黒い髪の毛が生えてこなくなった。
不思議なことにその場所だけ、白髪が生えてくるのは。
鏡を見ながら、どうにかしてその一本を抜こうとすると、
左右が逆に映っているせいか、どうしても手の動きが不器用になる。
あー、もう少しで抜ける、と思うと、それは黒い毛だったりする。
今日、昼休み後の歯磨きタイムに会社の洗面所で"白"を見つけてしまった。
抜いてやる~、
と鏡に向かって格闘すること15分。
首がつりそうになるわ、目が寄りそうになるわ、腕が引きつりそうになるわ、
ようやく抜けた、と思ったら、"黒"はもう10本近く抜けていた。
返せ、私の若い髪。
白髪を抜くのは、好きな男には頼みたくない。
こういう時、恋心もときめきも失せたけれど情だけはかろうじてキープしているような、
長年連れ添った夫の手が欲しいと思う。
「杏、ここの白髪抜いて。」
かつては、10歳上の夫に毛抜きを渡されることもあって、
ちらほら見える"白"を気にする彼に愛おしさすら覚え、
これが出来るのは妻だけだ、と思ったりした。
偕老の契り、共白髪とはよく言ったもの。
お互いが老いていくことを受け入れ合える関係、
それもやっぱりいいもんなんだろうな、と今にして思う。
そう言えば、先生はどうしているだろう。
最後に逢った日、先生の髪に数本の"白"を見つけた。
逢わなくなってもう1ヶ月以上になるけれど、
先生からのメールには一度も返信していない。
こんなにすぅーっと私の心から先生の存在が消えていくとは思ってもみなかった。
密かに想い続けていた苦しい4年間が嘘のように。
気持ちは楽になったけれど、先生の施術を受けていない身体はカチカチでつらい。
痛みで眠りも浅い。
白髪を抜いてくれる手、肩を揉みほぐしてくれる手、
それだけのための手が欲しい。
もう何の感情もいらない、ただ、要求通りに機能してくれる手が欲しい。
ふと、私は一生自分で腕を引きつらせながら白髪を抜くんだろうか、と思ったけれど、
十数年も経ったら、白の中に黒がちらほら、になるんだろうね(笑)。
by apricot0113
| 2005-02-19 02:21
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