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6年前の引っ越しで、二人から一人になった。 夫より先に社宅から出るために、 ココからココまでは持って行きます。 コレは置いていきます。 ブレーカーは落とさないで結構です。電化製品も全部スイッチつけたままでいいです。 と運送業者に指示を出しながら、 何も尋ねようとしなかった業者さんの気遣いをどれだけありがたいと思ったか。 自ら選択したこととは言え、 離婚という現実が自分の人生に降りかかってきたことをなかなか肯定できなかった。 進学、就職、節目節目で結果的に満足できる選択をしてきたのに、 最後の最後で失敗をした自分が許せなかった。 結婚はゴールじゃないのに。 夫の会社が借り上げてくれた外国の邸宅の、 その一間よりも小さな住まいに移った娘を不憫だと思ったんだろうか、 あの日手伝いに来てくれた母が、 帰り際、涙を浮かべていたことが忘れられない。 母の涙を見たせいで、逆に私は気丈に振る舞ったのだけれど、 嫁ぐまでは親が、嫁いでからは夫が、 経済的にも精神的にも物理的にもいつも私のそばには誰かがいてくれる、 そんな人生しか知らなかった私は、 転居先で迎えた初めての夜、 ひとりになった開放感に胸躍らせるどころか不安ばかりが募り、 声を上げて泣くと声は部屋に響くものなんだと知った。 いつしかひとりごとが増え、 自分が掛けることのないひとり暮らしの家の電話番号はなかなか覚えられず、 突然の来訪者に対しては用心深く居留守を使うようになった。 そう、部屋の中の気配を察知されないように息まで止めて(笑)。 あれから6年。 今度の引っ越しは、一人から一人、増減なし。 荷物は処分する物と持っていく物とに分ければ良い。 残して置く物はなく、後に残る人もいない。 業者さんには一切合切運んでもらえばいい。 大家さんには掃除してきれいに磨き上げた部屋を明け渡せばいい。 何てすがすがしいんだろう。 入居時より確実に元気になって退去できることがとてもうれしくありがたい。 電気、ガス、水道、NTT、住民票転出届… 各種移転手続きを進めていたら電話の名義が結婚していた時の姓のままで、 もはや戸籍上では存在しない人間の姓名だけれど、それも確かに私自身なわけであり、 ああ、結婚もやっぱり自分の人生の一部分だったんだなとしみじみ思う。 6年前の私の決断で、ずいぶんたくさんの人に迷惑も心配も掛けてきた。 6年掛かってようやくこんな自分を肯定できたんだろうか。 6年掛かって失敗した自分を赦すことができるようになったんだろうか。 それならばこの6年も意義深いけれど、 いつのまにか、二人より一人、が心地良くなってしまった、 それに慣れ過ぎてしまった。 私が、一人より二人、と思う日はもう来ないんだろうか。 新しい香りのする部屋で、これから何年暮らすのだろう。 誰かと暮らしを共にすることはこの先あるんだろうか。 先日豪雨で帰れなくなった人を泊めた時、 ぐぉーっと地響きのような鼾、 翌朝の長いトイレタイム、 読んだ後の折り目がめちゃくちゃな新聞、 ああ、やっぱり他人と暮らすのはもう無理だな、 24時間が限度だなって思ったけれど、 それでもたまに誰かと寄り添うのはいい。 人がいる気配って悪くない。 ダブルベッドのマットレスに伝わる振動も懐かしい。 6年前の転居通知葉書は改姓の挨拶状も兼ねていたけれど、 今度の転居通知には何を書こうか。 お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい、 ありがちな決まり文句じゃピンと来ないな…。 やっぱり私はココの管理人なのだから、 "24hours 365days Open" 訪れたい人が訪れればいい、 休みたくなった時に休んでくれればいい、 住処は変われど私はまだ当分変われそうにない。
by apricot0113
| 2005-09-27 02:56
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