杏へ
娘の幸せを願って羽子板とお雛様を用意するのは古来からの親の務めと、
先日突如夢を見て、翌朝浅草の羽子板専門店に駆けつけました。
お雛様も羽子板もやはり「顔が命」なので、
品格のある優しいお顔を、と店主のお見立てで選んだのがこれです。
正確には、押し絵羽子板と言います。作家は寿豊さん。(ジュホウと読みます。)
お姉ちゃんのは「汐汲み」。
謡曲の「松風」に因むもので、幸せを汲み出す、と言う意味があるそうです。
須磨の海岸で汐汲みをする松風・村雨と言う姉妹で、源氏物語にも出てくるはず。
杏のは「浅妻」。
鼓を手にしているでしょ。
鼓から幸せを打ち出す、と言う意味があるんですって。
歌舞伎や日本舞踊の演目にもなっているそうです。
板は桐、女性の簪は本黄楊(つげ)です。
お正月の間の縁起物としてお部屋に飾って下さい。
羽根をどこかで見つけて添えるといいかもね。
お正月の旅行、楽しみにしています。
母より
暮れのある日、大きな包みに手紙が添えられて届いた。
クリスマスに帰るはずだった私への贈り物、だったらしい。
親にとって子どもの幸せに勝る幸せはないんだね、きっと。
うん、幸せになりたい、ならなくちゃね、
だって、幸せになることをあきらめたわけじゃないから。
だけどそれ以上に、
誰かを幸せにしたい、幸せにしてあげられるような人になりたいと思うんだよね。
…だって、まだ果たしていないことだから。
鼓、ポンポコ打ち鳴らしちゃおうかな、あなたもわたしもみんな幸せになるように。
一年間どうもありがとう。
2006年が皆様にとって幸多き年になりますように。