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生まれて初めて飛行機に乗ったのも、 生まれて初めて外国に行ったのも、 18年前、大学4年の時だった。 卒業、就職前のいわゆる卒業旅行がブームになっていた当時、 友達とつるんで観光地巡りをすることに興味が持てなかった私は、 ホームステイという選択肢しか頭になく、 大学の生協で見つけた旅行パンフレットから、 アメリカ東海岸の街の家庭にステイしながら、 午前中は学校で勉強するというプランを申し込んだ。 私がお世話になるE家は、 お父さんとお母さんと二人の女の子、9歳のサラと5歳のサマラ、 杏家と同じ家族構成で、 出発数日前、私の親宛てに届いた手紙には、 Anzuの訪問を楽しみにしています。 責任持ってお嬢さんをお預かりしますから、どうか心配しないで。 Anzuにとって素晴らしい経験になるよう、私たちも祈っています。 到着早々、 他人のスーツケースと私のが取り違えられるというトラブルに見舞われ、 泣きそうになる私にお父さんが掛けてくれた言葉は、 Anzu, relax, no problem! 私が日常使うカタカナの"リラックス"とは違う単語ではないかと思うほど、 その"relax"は特別な力を持っており、 緊張感や不安はすうーっと消え、私には笑顔が戻った。 これが、ナマの英語なのだな。 敬虔なJewishで戒律を守っているE家とは、 宗教や食の習慣は違えど、 家族観、子どもの躾けや教育方針、父親と母親のあり方、経済観念、 これがもう我が家とマッタク同じで、 そのおかげか、 私は何の違和感を覚えることもなくE家の三番目の子どもになれ、 そして二人の妹たちの姉になれた。 あれから18年、 その後も何度か彼の地に足を踏み入れてはいたのだけれど、 それでも最後にアメリカを訪れたのはもう13年前。 ダンボール二箱に満杯になったエアメールは、 数年前から電子メールのやりとりに変わり、 互いの近況をより早く、より頻繁に知り得るようになっていた。 そして半年前のある日、 航空便で届いた定形サイズより大きくて立派な封筒、 それがサラの結婚式の招待状だった。 おやすみ前、私が本の読み聞かせをしてあげた、あのサラが結婚だなんて!! 私の拙い英語のせいで、 眠れるどころかうなされるんじゃないか(笑)と案じながら読んだbedtime story、 私がわからない単語の発音をサラはいつも優しく教えてくれて、 9歳なのに実に頼れる妹だったなと思う。 あのコが奥さんになるなんて!! ホームステイを終えてE家を去る日、 Anzu、あなたはいつでもこの家に来ていいのよ、 これはあなたの鍵だから、 そういって渡された家の鍵、 18年後、その鍵を持って私は再びE家を訪れることになった。 鍵は少し錆びているけれど、 To: Anzu, With Love, from E family キーホルダーに刻印されたメッセージは今もくっきりと残っており、 何度も何度も手でなぞりながら懐かしむ。 どうか鍵穴に合いますように。
by apricot0113
| 2007-07-30 02:21
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